病院薬剤師の年収に対してどのようなイメージがありますか?
今回は国公立の病院に3年の勤務経験がある薬剤師Bさんにインタビューし、病院薬剤師のキャリアやお金の話をぶっちゃけてもらいました。
お金の話は気になる〜
病院薬剤師はお金で悩むことが多いのではないでしょうか。
自分も病院時代に年収で悩んでいました。
病院薬剤師にお金の悩みはつきないよね
病院薬剤師の年収が低い理由や、年収を上げる打開策も教えてもらったので、ぜひ参考にしてください。
病院薬剤師の年収の実情を知り、キャリアを考える参考になります。
同じ病院薬剤師の中でも、国公立病院と民間病院で違いを学んでいきましょう。
- 国公立病院薬剤師のリアルな年収
- 国公立病院と民間病院の違い
- 病院薬剤師の年収が低い理由
- 病院薬剤師の年収を上げる打開策
病院薬剤師の平均年収
病院薬剤師の平均年収は559万円
病院薬剤師の平均年収は職務経験、勤務地や職場の規模やスキル、勤務形態によって異なります。
世間一般から見ると、薬剤師という仕事は専門性が高く、年収も高いイメージがあるようですが、実情はどうでしょうか?
病院薬剤師の平均年収は559万円です。(第22回医療経済実態調査)
日本人の平均年収は約443万円であり、病院薬剤師の年収は平均より高いことがわかります。
しかし病院薬剤師の初任給は約300~350万円といわれており、薬剤師業界では決して高くないですよね。
奨学金があると、より大変だよ
薬剤師Bさんに聞くと、徐々に収入はあがり、10年目で約400~450万円になり、役職につけばそれに応じてあがります。
薬剤部長の求人を私が調べてみると、約600万円~800万円の求人がありました。
薬剤部長でも年収一千万は難しいね
国公立病院と民間病院薬剤師の年収や特徴
国公立病院と民間病院薬剤師の平均年収
国公立病院と民間病院で平均年収は以下です。(第22回医療経済実態調査)
- 国立病院 約565万円
- 公立病院 約560万円
- 民間病院 約525万円
同じ病院でも国公立と民間で差があるね
同じ病院薬剤師でも、国公立と民間の病院でも年収以外の違いもあります。
それぞれの特徴を確認していきましょう。
国公立病院薬剤師の特徴
国公立病院の特徴は以下です。
- 福利厚生が充実
- 通勤・住宅・扶養・地域手当が充実
- 定期昇給が定められている
- 最初は基本給が低め
大きな点は定期昇給が定められており、長く勤めればその分昇給額も大きくなります。
薬剤部長クラスでは年収800万円を超えることも可能です。
経営状態にも左右されずにボーナスが支給されるのは嬉しいメリット!
35年以上の勤務で退職金は2000万円を超える病院もあるようです。
国公立病院の魅力だね!
勤務年数が長くなると、退職金額が順調に増えていくことは大きな特徴と言えるでしょう。
役職についている場合、一般職員よりも多くの退職金も期待できますね。
民間病院薬剤師の特徴
民間病院の薬剤師は病院によって大きく異なるので確認していきましょう。
- 基本給が高い
- 初任給が高い
- 定期昇給が義務付けられていない
- ボーナス・退職金は病院の経営状態に左右される
また、民間病院における退職金金額では700〜800万円といわれています。
経営状態が悪い病院ではさらに低い場合もあり、国公立病院よりも大幅に低い場合が多いようです。
社会保障のひっ迫により、多くの病院は赤字経営なのでボーナス・退職金については入職前に情報収集しておきましょう。
赤字経営の病院は多いから要注意
3年目病院薬剤師(薬剤師Bさん)の年収やお金事情
3年目病院薬剤師(薬剤師Bさん)のリアルな年収
薬剤師Bさんは3年目の病院薬剤師で、約300床の国公立の急性期病院に勤めています。
薬剤師Bさんの年収(各手当、賞与含む)を教えて頂きました。
- 1年目 約320万
- 2年目 約360万
- 3年目 約400万
薬剤師Bさんの病院では最初こそ病院薬剤師の平均より低いですが、年収の上昇幅が大きいですね。
昇給率が高いね!
3年目のボーナスは期末・勤勉手当合わせておおよそ年4.5ヶ月分、合計で92万円でした。
国公立病院は民間と比較し賞与が高いので、ボーナスに関しては恩恵を受けているとおっしゃっていました。
続いて夜勤手当です。
当直が多い月、少ない月で前後しますが、夜勤・当直手当は月2万前後。
薬剤師Bさんの病院では、平均月2回の日当直があります。
夜勤いける人なら稼げるね
民間病院と比べると、現時点で国公立病院の薬剤師Bさんの年収は劣るそうです。
しかし昇給は定期的にあり、福利厚生、各種手当が充実しているため、長く務めれば民間病院よりも多くの給与を得られますね。
同じ病院でも国公立と民間の違いはある!
薬剤師Bさんのお財布事情
薬剤師Bさんは3年目の年収は額面400万で、所得税、住民税など差し引かれた後の手取り額は300万円でした。
各種手当については薬剤師Bさんは実家から通勤していたため、家賃、生活費を節約できたので、年100万円の貯金をしていたそうです。
実家から通える病院を探すのも、いい方法
一人暮らしをしていた病院薬剤師の友人のお財布事情
薬剤師Bさんの病院薬剤師の友人は家賃補助を受けて一人暮らしをしています。
家賃手当は最大28000円で、友人の一人暮らしでの貯金額は年60万円だったそうです。
世間的に病院薬剤師は「高級取り」というイメージがあります。
知人からは「薬剤師ならかなり貰ってるんだろ」とかよく言われて、実情の年収をいうとあまりの低さにかなり驚かれたそうです。
病院薬剤師あるあるだね
病院薬剤師の年収はなぜ低い?
調剤薬局は新卒でも年収500万円、ドラッグストアなら550万円もらえるケースがあります。
そこから違う薬局やドラッグストアに転職をすれば、若手薬剤師でも600万円を狙えます。
若いうちから稼ぎたいなら、薬局やドラッグストアがおすすめ
一方病院薬剤師の初任給は約300~350万円といわれてましたね。
病院薬剤師の年収は薬局に比べなぜ低いのでしょうか?
大きな転換期と言えるのは1980年代に行われた「医薬分業」と呼ばれる政策です。
それまで院内薬局で調剤をしていたのが、医薬分業により病院と薬局の役割が分けられました。
その結果、病院内薬局の収益が減り、病院薬剤師には低い給与しか払えません。
分業により需要が高まった調剤薬局では、高待遇で薬剤師を雇えるようになったという背景があります。
病院の経営状態は現在、全体の約7割以上が赤字と言われており、そういった経営状況も病院薬剤師の年収が低い原因です。
けっこう赤字の病院が多い!
また病院薬剤師の年収が低い理由は、病院は学べる範囲も広く、新卒からは人気の職場だからです。
年収が低くても人が集まるので、年収が上がりにくいと考えられます。
病院薬剤師の年収を上げるには?
専門薬剤師をとる
病院薬剤師は専門薬剤師をとることが年収を上げる方法の1つです。
薬剤師の専門資格は様々なものがあります。
- 感染制御認定薬剤師
- がん専門薬剤師
- 精神科専門薬剤師
- HIV感染症専門薬剤師
- 腎臓病薬物療法専門薬剤師
- 妊婦・授乳婦専門薬剤師など
「感染制御認定薬剤師」「がん専門薬剤師」など資格を取得すると、勤務先によっては資格手当が支給されることもあります。
昇進に有利となり、役職につきやすくなるので、病院薬剤師で稼ぐ1つの選択肢ですね。
かなりの労力は必要だよ
副業する
働き方改革が進められ、副業がしやすい環境が整いつつあります。
副業を行い、本業とは別の収入源を持つことで年収を上げていきましょう。
出世するのは40代以降と時間がかかりますが、副業で成功するのは20代でも可能。
若いうちからチャンスあり!
薬剤師は健康や薬に関して社会的に信用があるので、信頼性のある情報発信ができますね。
医療や薬に関する情報を一般向けに発信するメディカルライターや、海外の医療記事の翻訳業務を副業としている人も!
副業のメリットは収入が増える以外に以下もあります。
- スキルアップができる
- 時間や場所を選ばず仕事ができる
- 新しい知り合いができる
副業が気になる人はぜひチャレンジしてみてください。
僕も副業の一環で出版にチャレンジ
転職する
専門薬剤師をとっても給与に評価されない人や、副業も禁止な人は転職をおすすめします。
転職は早く年収を上げたい人にとって有効な方法です。
専門薬剤師獲得や副業で稼ぐには時間がかかるデメリットが…
転職は数ヶ月の転職活動で年収150万円上げられるので、スピード感がすごいです。
もし薬剤師業への転職の際は薬剤師専門の転職エージェントを利用するのが最も効率的。
キャリアアドバイザーが専門性の高いアドバイスをしてくれるので、とても便利です。
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転職に慣れている人は転職エージェントを使わずに転職する方法もあり、私の本に記載しています。
興味ある人はぜひチェックしてみてください。
病院薬剤師のキャリアチェンジ
病院薬剤師のキャリアチェンジ例を2つ紹介します。
1つは私のキャリアチェンジでもう1つは別の病院薬剤師さんに伺いました。
病院薬剤師のキャリアチェンジの参考にしてね
ヒーローのキャリアチェンジ
私は病院から調剤薬局へキャリアチェンジをしました。
学生時代は病院から薬局の転職は簡単と聞いていましたが、実際転職をしてみると転職エージェント受けは悪く、苦労しました。
エージェントさん受け悪かったよ
病院薬剤師で調剤薬局に転職を考えている人は、保険点数など薬以外の勉強も必要です。
転職活動に苦労しましたが、月の残業時間が10時間減ったにも関わらず、年収が150万円アップしたので満足しています。
製薬企業(MSL)へのキャリアチェンジ
別の元病院薬剤師に教えて頂いた、病院薬剤師のキャリアチェンジ例を1つ紹介します。
病院薬剤師のおすすめ転職先の1つは製薬企業のMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)です。
MSLは医療のキーパーソンのドクターや研究者と自社宣伝なしに医療情報を交換することで医療に貢献しています。
自社の会社の開発部門と交換した情報を共有することで、より良い医薬品を作っていく仕事です。
いい薬を作れば、世界中の人に医療貢献ができるね
実際にMSLに転職した薬剤師に話を伺ったところ、やりがいも感じ、年収アップにつながって満足そうでした。
リモートワークができ、夜勤もなくなるのは魅力的ですね。
ぜひMSLに興味ある人は以下の記事も見てみてください。
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国公立病院薬剤師のリアルな年収のまとめ
国公立病院薬剤師ののガチな年収事情や各病院の特徴、病院薬剤師のキャリアチェンジについてでした。
お金の話はなかなか聞きづらいので、ぜひ以下のまとめを参考にしてください。
- 国公立病院は民間に比べ基本給は少ないが、手当が充実しており長期で勤めるのは有利
- 3年目病院薬剤師のリアルな年収は約400万円
- 1年間の貯金は約100万円
- ドラッグストア、薬局よりも初任給が100万円以上、低い傾向
- 専門薬剤師の資格をとる・転職・副業をして年収を上げる方法がある
病院薬剤師はお金面で困ることが多いので、キャリアや年収対策はどんどんしていくのがおすすめです。
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